カナダの新学期【小学校の先生の水面下のバトル!】

日本人ママ

カナダの小学校の新学期はどんな風に始まるのかしら。入学式はあるのかな、親も子供もどんな服を着ていけばいいのかしら。

こんな疑問にお答えします。

カナダの小学校は入学式も始業式もありません

カナダの小学校・中学校・高校には”式”という概念がありません。一日しか着ない服を買う必要もありません。何かセレモニーがあるんじゃないかと思って日本から持って来たスーツは全くのムダでした。

バンナビ

キンダー(幼稚園)も入園式はありません。日本って何で式典ばっかりあるのかしら。もしかして、日本人は時間とお金のムダに気づいていない?

学校が軍政下だった頃の名残?先生は偉い人と無意識にすり込むため?当たり前だと思ってたことが世界的にみると異常なのね。また外国にかぶれたわ!!!

職員室もなく、先生の机はクラスにあります(写真は先生の机)

小学校初日

登校初日の数日前に、事前に教育委員会(スクールディストリクト)で登録したメール宛てに、小学校からメールが届きます。小学校の登録方法は、 小学校の登録方法にて。


内容:親はジム(体育館)に来てください。それから、子供と一緒にクラスに来て下さい。時間は、8時50分から9時50分までの1時間だけです


集合場所:元のクラス。新規の人は、オフィスの窓口。

始業日の案内メール:8月28日

Dear Parents,

The first day of school is Tuesday, September 3.  Students will attend for one hour only from 8:50 to 9:50.  Parents are welcome to go to the gym on Tuesday and visit together while students are in class.

Returning students will go to last year’s class.  Newly registered students will come to the office so that we may escort them to a class.

大規模な小学校の事務所(オフィス)は、新規の子供と親で長蛇の列になります。

グローバルクラウン
小学校で使う文房具の一部
プリントをはさむファイルが多い

キンダー初日

登校初日の数日前に教育委員会で登録したメール宛てに、小学校からメールが届きます。

内容:(子供と一緒に)9時15分から10時まで図書室に来てください。

始業日の案内メール:8月30日

This is a reminder that parents of kindergarten students are to attend a meeting in the school library on Tuesday September 3 from 9:15 to 10:00. At that time all relevant information for gradual entry will be distributed.

始業日の連絡が4日前って・・・。

補足:キンダーの登録方法

2月初旬 教育委員会(SchoolDistrict)に行く(詳細は小学校の登録方法にて)

5月中旬 下記のようなメールの案内に従い、登録した小学校に行く

お知らせメール:5月9日

Hello,

We are looking forward to having you and your child visit for our Welcome to Kindergarten event on Friday, May 17 from 9:15 to 10:30.

If you have not yet informed us if you can attend or not, please do so before this Friday, May 10. If you’ve already emailed me or called me, there is no need to do so again. Thank you.

お道具箱はあるの?(クレヨンなどの文房具について)

5月中旬の説明会で、文房具セットの注文用紙が渡されます。しかし、この用紙は「クレジットカード番号と有効期限」を書くという何とも情報漏えいがコワいものです。

大多数の人は、情報ろうえいなんて気にせずガンガン個人情報を書いていますが、気になる方はスクールキャッシュオンライン※1で帰宅後に買えるので用紙を持ち帰って下さい。

また、キンダーは文房具を共用で使います。なので、

「文房具に名前を書かないで下さい。」

という日本とは逆の連絡がきます。キンダーの教室の色鉛筆やクレヨンは今までの子供達の物で溢れかえっています。

おさがりが大量にあるなら、わざわざ買う必要ないんじゃないかって気がしますが、毎年個々に学校の備品の購入しなければならない理由は・・・わかりますよね?

学校の業者から買わないといけない日本とは違って、カナダは学校指定のものをスーパーなど自由に購入できます。しかし、ひとつひとつ揃えるのがとっても大変なのでコテコテの日本人ママは、揃ったセットを買うのが賢明です。

日本人には分からないカナダの文房具名

※1スクールキャッシュオンラインは、小学校への登録が済んであれば、親の名前、メアドでサインイン後、小学校名→グレード→子供の名前、誕生日を入力すれば、使えるようになります。

子供の名前を選んだら、文房具セットの商品名がありますので、クリックして支払いに進みましょう。

9月以降に購入すると手数料5ドルが発生します。娘は9月中旬からの通学で、その頃スクールキャッシュオンラインで申し込みましたが、1週間ほどで自宅に届きました。

子供個々に机と椅子がなく、共用する(毎日、テーブルとイスを片付ける)

カナダの新学期はいつから? 休み明け開始日の決まり方

夏休み明け(新学期)初日の決まり方

カナダでは年度の初めはレイバーデー(9月第1月曜日)の翌日、火曜日からと決まっています。

このようななわけで、2019年は始業日が9月3日(火)から、2020年は始業日が9月8日(火)と年度によって開きがでてきます。

始業日終了日
カナダレイバーデーの翌日(必ず火曜日)必ず金曜日
日本4月6日以降の最も近い平日(寒冷地を除く)曜日は決まらない

冬休み明け初日の決まり方

新学期が始まって16週間が登校日です。祝日や、Pro-Dデー※はお休みとなります。クリスマス、お正月休みが2週間あるので、新学期が始まって18週間後の月曜日が冬休み明け初日となります。

バンナビ

今年の冬休みは1月1日までだわ。1月2日から登校か~。日本じゃありえないわね。

※ Pro-Dデーは先生の研修日という名目です。個人的な予想では、先生が生徒とほぼ同じ時間に帰るために(残業はしません)、たまった事務作業をしていると思われます。月に1度あります。

春休み明け初日の決まり方

冬休み明け初日から10週間が登校日です。その後、2週間の春休みがあります。このため、冬休み明け初日から14週間後の月曜日が春休み明け初日となります。

授業開始日および終了日は

日本は日にちで決まる

カナダは週数で決まる

という違いがあります。このため、年によって休み明け初日は1週間の開きがあります。休みが1週間ずれると、日本からのスプリングキャンプをご検討の皆さまは頭の痛い問題でしょう。2020年は、

日本の春休み :3月26日(木)~4月5日(日)(関東地方)

カナダの春休み:3月16日(月)~3月29日(日)

と一致するウイークデーが1日しかありませでした。コロナウイルスのため問題になりませんでしたけれども。スプリングキャンプに参加できる年とできない年があるんですね。

2022年度の新学期は9月6日(火)

新学期が始まってもクラスが決まっていない

カナダは、

新学期から1週間はクラスが決まりません。

2020年度は子供達が通う小学校では1週間を過ぎてもクラスが決まりませんでした。

校長先生の言い訳メール

I’m sure you are all wondering when your child’s regular class will be set and who their teacher will be.

Please know that we are all working extremely hard to finalize all placements. Back in June all the teachers had created a first draft of placements for September. At that time, we were projecting a school population of 412.

Between last week and this week, we have accepted well over 30 registrations to our school. While we welcome all our new families to our school community, this has also caused a lot of re-organization of classes.

We currently have a school population of over 430 students with approximately 3 open spaces across all grades. As you can imagine this makes organizing classes very challenging and allows for very little flexibility.

Normally we like to start our regular classes on the Monday right after the first week back, but this year we will not be able to do that. We will review all classes on Monday and if all goes well, we hope to start regular classes on Tuesday September 10.

On Monday September 9, please bring your children back to the same classroom as you did all this week.

Thank you for your patience and understanding.

日本だったら、4月に新学期が始まって学校に来たらクラスが決まってないってあり得ないじゃないですか。カナダはクラス編成は新学期が始まってから行います。

その理由は、

先生たちの水面下のバトルに時間がかかる

からです。

表向きの理由は、「子供の”個性”を知るのに時間がかかるから」という理由です。たとえば、完全な発達障害の子供には先生がマンツーマンで一人先生がつきます※2が、発達障害ギリギリの

・落ち着きがない子

・先生の話を聞かない子

・うるさい子

は、全世界共通でいるわけです。また、うちの子供達のように英語が全く分からないために手のかかる子供もいます。

また、同じ国籍で固まると母国語を話し始めるので、国籍を分散させる必要もあります。新学期に新しく来る子供もいて、先生も教育委員会も夏休みは仕事したくないし(夏休みは給料でないし)、前もって決められないのが現実のようです。

そしてクラス編成に時間がかかる最大の理由は、給与体系が年功序列ではない(と予想される)先生の仕事量の公平化です。同じ給料をもらうなら同じ仕事じゃなきゃ不公平、というわけです。1クラス25人と、30人じゃ平等じゃないと考えるんですね。

そして、子供の”個性”と1クラスあたりの人数を天秤にかけながら、1クラスあたりの仕事量を平均化していく作業に時間をかけていきます。

あの子はチョー手がかかるから、生徒5人分よ!!!っていう会話ね。

このような理由で、複合クラス※3も一般的となるわけです。

実際に発達障害ギリギリの子供が1人でもいると、クラスが崩壊するので深刻だとカナダの小学校の先生がおっしゃってました。発達障害の子供が3人いないと、その子供達のための先生がつかない地域もあります。

だから、「発達障害ギリギリの子供や発達障害の子供1人に対して1人ずつ先生を配置してもらうために、小学校の先生がストライキを行うの。普通の子供を守るためよ!!!」とのことです。給料アップのためだけのストライキじゃないんだーと感心しました。

※2 カナダでは発達障害の子供も普通の子供と同じクラスにいます。ただし、障害のレベルによって国語や算数が無理な場合は、別室で授業となります。アートやジムクラスは一緒です。

障害の子供を特別視しないことは良いことですが、クラスが崩壊するリスクがありますね。

※3 複合クラスとは前後の学年が1つのクラスになっているクラスです。わざわざ 全てを複合クラスにするわけではなく、1クラスを平等化するための措置(予想)で、学年が1つの単一クラスもあります。

なお、カナダは広いので、複合クラスがない学校も予想されます。

単一クラスも複合クラスも、算数は子供の習熟度によっては上の学年、下の学年の授業を受けに行く場合があります。こういった措置も地域によって異なります。

むすめ

A君はグレード3だけど、グレード1の教室で算数の授業受けてるよ。

バンナビ

いいことね。

カナダの教育は算数に問題が!

教科書もなく、学年でクラスが決まらないカナダの教育システムの問題点は、算数にあると個人的に感じます。例えば、分母の違う分数の足し算引き算は、

  1. 分母の通分ができる(最小公倍数が分かっている)
  2. 分子同士を足す(帯分数にできる→足し算、引き算ができる)
  3. 約分する(割り算ができる)

と、子供にとってはかなりの下準備の知識がないとできないわけです。しかし、去年グレード2、3の複合クラスだった子供が、今年はグレード4、5の複合クラスに入り、分数も習わないうちに、分母の違う足し算引き算をやらされる事態が発生します。

そこでチンプンカンプン!、算数キライってなるわけです。

日本のもれなく積み上げ式に学習できる教科書を使うの良さを感じます。カナダは教科書ではなくプリントで、柔軟性がありますが、親がしっかり見ていないとツライところではあります。このような単元漏れてんこ盛りの算数のシステムのため、できなければ算数は下の学年に行きなさい、ってことなんだと思います。

カナダは卒業時に小学校の算数の知識が不完全なまま、セカンダリーに行く子供が沢山いるわけですね。日本も小学校6年生までの算数が子供全員分かっているか?といえば、微妙なところではありますけどね。

ただし、現在のグレード4の娘の場合、算数の授業は基本的に毎日あるため、ちゃんとついていける子であれば、子供が作業するプリント量も多く日本とそれほど変わらないレベルかなと思います。

どれくらい勉強させるかは先生によるので、いい加減な先生も沢山います。先生の力量の振れ幅が大きいです。あっという間にやることをやって(本当に終わらせたのか疑問ですが)、6月はずっと映画鑑賞という先生もいます。

日本同様にバンクーバーでも、公文があちこちにあります。うなずける現象です。

さらに言うと、子供達が退屈しないようにするという理由で(多分、先生がスタバに行きたいという理由で)、グレード7の子供達全員を連れて、近くのモールのスタバに行くという授業を見たことがあります。

ヒゲの生えた男の子達や身長170cm超えの女の子達が、ホイップたっぷりのフラペチーノを飲んでいる姿は、とても小学生の集団とは思えませんでした。

警官もフツーに制服姿でスタバに来るしね。

まとめ

いかがでしたか?カナダは入学式も始業式もないため、暑い中、スーツを着て校長先生の話を聞くこともなく、普段着で登校し、たった約1時間で帰れます。

式典が多いメリットって何でしょう?心を新たにできる、襟を正せる、そういうメリットでしょうか。どうも日本人お得意の精神論で人を動かそうとすると式典が多くなる気がします。

式典があるのとないのと、どちらが良いかは分かりませんが、人生において結婚式や葬式も含めて式典がなくなったら、めちゃめちゃラクだし、そこに労力を費やすことは人生の本来の目的じゃないことに気づきました。

葬式は後悔しないようにするぞー!

入学式も卒業式もない、子供個々の机もない、職員室もない、教科書もない、授業時間も短い、給食も任意、時間割さえまともな物がない、それでも平均所得は日本より高い、幸福度も日本より高い、カナダ恐るべしです。

どうして日本人は真面目で、仕事量も多いのにこんな事態が発生するのか?個人的な考えですが、戦略の差ではないでしょうか。

日本はいたるところで目的が本質的に間違っていると気がします。教育を例にあげると、

日本の義務教育の目的:社会に出て困らない知識を国民全員に身につけさせることが最大の目的

先生が頑張るところ:落ちこぼれをどうるするか?のみ

どんなに賢い子でも普通の子供と同じ授業を受けなければならない損失を考慮していない。

ということになります。

カナダは限りある国家予算を最大限に活用するにはどうするか考えています。

カナダの義務教育の目的:カナダの国力をあげるのが最大の目的

先生が頑張るところ:ギフテッド(天才児)や優秀者を更に高みに持って行くにはどうするか

賢い子には学年より上のクラスの授業を受けさせたり、普通の子供より難しい課題を出したり、公立の小学校なのに優秀者にはきめ細かいです。

カナダは落ちこぼれをどうしているのかというと、授業内のshow and tell、授業外のタレントショーなど授業の他に才能があることをアピールする仕組みがあります。小さい頃から自分の好きなことや得意なことを考えなくてはならない機会が頻繁にあります。

落ちこぼれというと聞こえが悪いですが、カナダには「学校の授業ができないだけだから、そんなに気にすることないよね。」っていう大らかな雰囲気があるのもいいですね。

グローバルクラウン

シェアしてね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です